日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2023年6月9日自分の経験を人との話に存分に活用しよう!

 

「人と話をしていて話題が途切れると、次に話す話題がなかなか思いつかなくて会話が続かない」
「何か話そうと思うが、話題が思い浮かばず、沈黙が続いてしまう」
こういう経験は誰にもあると思います。

日本話し方センターのベーシックコース2日間集中セミナーでは、そういうときのために『話のネタの集め方』という講義があります。
話のネタはないか、と日常の中で常に意識していれば、物事を観察する意識が芽生え、ネタになりそうなものが色々と見えてきます。それらの事実とともに、その時に考えたことや感じたことをストックしていけば、話のネタは自分の中に蓄積されていきます。

ところで、話のネタは自分の周りにあるものの他に、自分の過去の経験の中にもあります。この自分の経験の中にある話の材料を掘り起こすことは、実はかなり大切なことです。というのも、人は自分のことを驚くほどわかっていないからです。自分の中にある話の材料を掘り起こすことで自分のことも改めて色々と認識できるのです。そして、自分の中の材料を掘り起こすには、大きく分けて2つのやり方があります。


★自分の過去の体験を掘り下げる


一つは、自分の過去の経験を深く掘り下げることです。
例えば、あなたは今現在、興味のあることを10個あげてください、と言われてすぐに15個思いつきますか? 3つ、4つはあげられても15個あげることはなかなかできないでしょう。しかし7分~8分集中して考えると、15個以上出てきます。実際、私は過去にこの質問をされて7分間集中して考えると15個以上思い出すことができました。ああ、自分はそういうことにも興味があるんだなぁ、こういうことも好きなんだなぁ、と改めて実感できます。そして、その好きなことにまつわるエピソードなども思い出し、自分はこういうことを大切にしていたんだなぁ、と自分を見直すことができます。こうして認識できたことやそれにまつわるエピソードなどが、自分を語る上での話のネタになります。
人は自分の経験や体験のほとんどを掘り下げることなくスルーしています。それをあえて掘り起こし、それに対する自分の考えを添えれば、かなりよいネタになります。

 

★自問自答する


もう一つは、自問自答することです。例えば、事業に成功した人をテーマにしたテレビ番組を見ているとします。そういうときに、軽い気持ちで、自分は成功者なんだろうか、と自問してみるのです。そうすると、こんなことを考えたりします。
・そもそも成功者とは何だろう。自分に取って成功の定義とは具体的に何だろう
・例えば、自分の人生を振り返って大きな後悔がないなら、それは成功者と言えるかも知れない
・だとしたら、自分は、そんなに後悔はしていないので成功者と言えるだろう
決して正解があるわけではないので、何を考えても自由です。こうして自ら考えたことが立派な話のネタになります。

また、人生最後に何か一品だけ食べることができるとしたら何を食べるか、と自問自答しても面白いですね。
それを暫く考えて、卵かけご飯だな、と思ったとしましょう。そのように考えたことは結構覚えているものです。そして、ある日、日常会話や飲み会の席で食べ物の話になった時、「ああ、私は卵かけご飯が好きなんです」と言うよりも「ああ、私は卵かけご飯が大好物なんです。死ぬ前に何か一品食べられるんだったら迷わずに卵かけご飯を選びます。それくらい好きです」と言った方が、話ははるかに盛り上がります。そして、じゃあ、他の人が死ぬ前に食べたいものは何?というように話題を広げることもできます。

自問自答は、道を歩いていても、お風呂に入っていてもできます。ふと頭に浮かんだことをつかまえて、少しの時間じっくり考えることを習慣にすれば、かなり広くて深い話のネタができます。また、上に書いたように、人生最後の時に食べたいものは何?などの問いかけ自体も、話題を提供したり、広げたりするネタになります。

このように、自分の中にある話の材料を考えてストックしておけば、とても強力なコミュニケーションの武器になります。ぜひ自分の中にある話のネタを掘り出してください!

 

★3ヶ月間、集中して話のネタを考えてみましょう!


日本話し方センターのベーシックコースでは、話のネタの集め方以外にも、要領のよい話のまとめ方や聞き手を惹きつける話の仕方など、話し方全般について講義と実習でご指導しています。また、受講している間は毎週のようにスピーチ実習があり、その話すネタを常に考える期間でもあります。そうした経験をすると、話のネタも集めやすくなります。その成果は多くの受講生が実感されています。ぜひ「受講者の声」をご一読ください!
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